ワクワク・ライフ・バランス

誰を向いて仕事をするのか?

熱量が基本のオウンドメディアマーケティングセミナー

 本日8月26日、バーグハンバーグバーグの徳谷柿次郎さんid:kakijiroとのセッションセミナーである、オウンドメディアマーケティングセミナーに登壇しました。場所はFreakOutさんの会場を借り、生憎の天候ながらも満員に近い入りとなりました。お越し頂きました皆さま、誠にありがとうございましたbusiness.hatenastaff.com

 セミナー開催にあたり資料作成を行いましたが、作成しながら自分がマーケティング担当者だったら何を知りたいだろうと、できる限り視点をズラさない様に作成しました。結果、価値ある内容になったかは、セミナーが終わった後もわかりませんが…。

 今回この様な形でセミナーを開催できたのも、はてなの方々(高野さんid:mtakano)の実行力に依るものです。以前も同様に、はてなさんが進めていく企画にジョインするケースがありましたが、しっかりと他各社と共有・連携しつつ、安定的にイベントを開催していく様は流石だと思いました。また見学者の集客についても当初80名の枠に倍以上の応募があり、悪天候にも関わらず100名程度の来場は、抽選・選出の方法から歩留まり計算まで、大きなノウハウだと感じました。
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 そして今回はジモコロ名義ではありますが、柿次郎さんとの初セッションセミナーです。柿次郎さんは本当に柔よく剛を制す方で、しなやかな芯を持って様々な状況に対応して頂けます。実際、セミナー開催にあたっての下打合せは昼食を取りながらという簡単なもので、そもそも下書きもなく、それぞれが作った資料を当日合体し100%アドリブで行いました。それでも私の呼吸や、会場の雰囲気を感じつつ話す内容をコントロールし、タイムスケジュールを大きく乱すことなく閉会することができました。

 さて、セミナーを通して私たちは何を得たのでしょうか。はてなさんは、ブログMEDIAの営業見込みを得て、バーグハンバーグバーグさんはコンテンツ営業先を得たのは確かです。アイデムが得たものは数字的なものではなく「何をやらかすかわからない企業」としての認知を、ある程度得たのではないかと思います。それこそ役員の写真まで動員し、ある意味ブランディングとしても、「いつの間にか何かやってる企業」として同業各社様には紹介ができたのではないかと思います。実際、セミナー終了後に最大の?同業さんから「アイデムに先を越された」と社内をざわつかせた、という事実を確認できただけで大きな実績なんではないかと思いました。

 柿次郎さんの資料は熱量を基本としていました。ジモコロへの向き合い方も、その熱量が全てかと思います。しかし熱量は、触媒がなければ持続できません。会場の質問の中で「媒体に、運営側が飽きてきたら」という内容がありましたが、ある意味柿次郎さんがジモコロへの熱量を下げた途端に、ジモコロが腐敗(消費的になって)してしまう可能性も秘めています。ジモコロはこのまま地元の一次情報を発信し続けられるメディアであり続けたいと願いつつ、時間経過により運営そのものがルーチン化していく恐怖を感じた1日でもありました。

 これは本業である求人媒体にも通じる事で、熱量の無いルーチン作業で発信される情報に、人を動かす程のエネルギーが込められているのか、改めて考えさせられました。

CM、動画の撮影について

 CMや動画がどの様に撮られているか、プロモーションを担当するまで明確には理解していませんでした。元々私もデジタルマーケティングから入っているので、それこそ初めてのマス広告の打ち合わせでは飛び交う用語が理解できず、GRPって何ですか?PPMって何の略ですか?っていうか、何でこんな高いんですか?と質問だらけになってしまいました。

最近の動画です。

youtu.be
アイデム演劇プロジェクト【スマホを片手に走れメロス

youtu.be
アイデム演劇プロジェクト【坊っちゃん2015】

 デジタルマーケティングであれば、それこそ数万円単位から始められますが、マス領域になるといきなり1,000万単位が当たり前になります。そこには色々な仕組みや工程があってそうなっているのですが、はじめの内は理解するまでにかなり時間を要しました。今思えば、その工数はジモコロでもかかっているもので、とてもわかり易く言ってしまうと「人間ならではの手間」に尽きるかと思います。
 さてCMや動画を作るにあたっていくつか手順がありますので整理してみたいと思います。

①【Purpose】まずは社内をまとめましょう。

 プロモーションと言うと、すぐに「CMやりましょう」となるのが良くある流れです。とても分かり易くて良いと思いますが、関東・関西エリアで放映する場合はコストがネックとなります。しかもCMにおいては、投資分に対しての広告効果が明確に取れるわけではありません。
 「この期間にこれだけCM投下をするので、売上を◯◯%上げます」と言うのが良くある社内プレゼンですが、そこの指標がブレない様にしないと、後々なんのためにCMをやるのかそれぞれが混乱することになります。

→CMをやる目的はブラさない。

②【What】何を伝えたいのか明確にしましょう。

 CMをやる事が決まったら、今度は何を伝えるのか決めなければいけません。CMの基本は15秒か30秒。しかも起承転結を考え、企業ロゴやサービスロゴのカットをしっかりと挟むとなると、メッセージの取捨選択が必要となります。限られた秒数で伝えられるメッセージを再整理することになります。

→メッセージは欲張らない。

③【How】どの様に伝えるのか考えましょう。

 メッセージが決まったらどの様に伝えるか考えなければなりません。タレントを使うのか。キャラクターを擁立するのか。それこそ企画だけでインパクトを出すのか。言わずもがなですが、タレントを使った場合、特に認知目的では、視聴者への到達スピードは早くなります。これは単純にタレントのファンの皆さんが紐付いてくれるからです。手法は様々ですが、選択されたメッセージを伝える最良の手法を選択するべきでしょう。

→CM=タレント、という構図が全てではありません。

④【Orientation】代理店や制作会社に伝えましょう。

 方向性が決まったら、動画を制作していかなければなりません。基本は、代理店を通し制作会社という流れかと思いますが、制作会社は固定で広告枠だけ代理店通しで買う、というケースもあるでしょう。①〜③までをできればドキュメントにまとめ、齟齬がない様に伝えるのが良いと思います。この作業は、システム開発におけるRFPの様なものです。

→社外の人間に伝える際は、出来る限り一般化して伝えましょう。

⑤【Presentation】企画案〜ストーリーボード〜絵コンテを確認しましょう。

 オリエン後、代理店(制作会社)から企画案が上がってきます。「望んでいる画はこういう事でしょうか?」という要件確認書になります。この段階で、いわゆるトーン&マナーや、タレント使用の有無などが決まります。企画案がまとまり次第、ストリーボード〜絵コンテとなり、15/30秒のカット割りが決まっていきます。要件定義に近い作業となります。

→想像していたものがしっかりと伝わっているか確認しましょう。

⑥【Shoot】PPM〜撮影となります。

 絵コンテまでくれば、後は撮影するだけです。事前にPPM(プリ・プロダクション・ミーティング)を行い、全体から詳細まで最終チェックを行います。撮影場所がスタジオなのかロケなのか。また天候に左右される場合のリスクヘッジはどうなっているのか。撮影に入ってしまうと基本は立ち会うだけとなります。モニターチェックをしながら、気になる事があればその場その場で確認をしていかないと、撮り直しが発生してしまい制作コストが跳ね上がってしまいます。

→撮影は基本一度キリなので、想定される画は撮り置きをしましょう。

⑦【Edit】仮編集〜本編集・MA

 撮影後は編集作業に移ります。編集室にて、まずは撮った素材を繋ぎ全体のストーリーに違和感がないか確認します。この段階では色調も音声もまだ荒いものになっていますが、全体の構成が整い次第、細かい調整に入ります。音声についてもMAによって調整され一般のテレビスピーカーでも聴きやすいか確認します。

→編集作業が最後の仕上げです。気になるところがあれば、カットや色味、また音声などひとつひとつ調整しましょう。これで動画が完成となります。

 動画を広告軸とする場合に、CMありきか結果的にCMかで、実は①〜⑤の工程は変化します。何かを効率的に伝えようと思った結果、コストと到達スピードを加味した際にCM・動画という手法が優先されがちですが、現状の数字上ではYouTubeに代表されるWeb動画も外せません。
 TVを見るユーザー向けとYouTubeユーザーではその作り方が全く異なりますので、注意が必要です。具体的には、CMは上記の様に15/30秒というフォーマットがありますが、Webにはそういったフォーマットがありません。今後、Web動画マーケティングにおいてもフォーマット化が進むかと思いますが、良い意味で定形化されないのがWebの可能性だと思いますので、今後、動画制作業界においてもWebを前提とした制作手法が議論されるかと思います。

ここ数年の結論ですが、CMを作れる人と、Web動画を作れる人はまだまだ多くありません。なぜなら業界的には、CMクリエイターがTVCM同様にWeb動画を制作するケースが一般的だからです。今後はWeb動画界からCM業界に出てくる人が多くなるのではないでしょうか。

白やぎさんからお手紙着いた

 ジモコロの編集長・柿次郎さんから返信が来ました。jet-set.hatenablog.com
存在論的、郵便的な感じです。柿次郎さんは柿次郎さんであって、柿次郎さんでありません。実は源氏名なのです。お気をつけください。

いやー、ありがたいですね。仕事関係でこういうことをするのは初めてなんですが、アンサーブログっちゅうんですか? オーパーツ的な感覚で言うとトラックバックを飛ばして、個人ブログで打ち返す試みもアリなんじゃないでしょうか。インターネットのお戯れです。同じ「はてなブログ」だし。

 個人的には2004年から「はてなダイアリー」ユーザーでして、まさにトラックバック世代でして、逆にブログで言及してpingが明示化されないのは寂しい限りなのです。
 バーグハンバーグバーグさんとの出会いはシモダさんとのセミナー登壇が最初でした。directorblog.jp
 場所はLINEのセミナーホールで、田端さんが司会をする中300人くらいの業界関係者ばかりだったのですが、シモダさんはすでに一杯ひっかけていて、登壇者控室ではずっとモンハンやっていました。噂には聞いていたのですが、ビジネス面とおもしろ面は計算していて、多分キレキレのビジネスマンだろうと勝手に想像していたのですが、遊びの時間は終わらない人の方でした。
 次は原宿さんとアインツ・ワッパさんと、これまた違うセミナーにて登壇させて頂きましたが、アインツ・ワッパさんのネタがオカルト過ぎて、本気でビビリました。いや、お兄さん気になりますね。tcc.nifty.com
 原宿さんはちゃんとした人というイメージが強いのですが、そうは言ってもオモコロの編集長なので、上げてくるものはぶっ飛んでいるわけです。www.e-aidem.com
 そして柿次郎さんと山口むつおさんと、初めて仕事の話しをしました。当時はジモコロと言う名前も決まっていなくて、それこそ中学生シモネタ満載のネタ持ち寄り会でした。と言うか当時のネタが今のジモコロには一つも出ていないので、きっとこう言ったコミュニケーションの場で展開される気がします。一応バラして起きますが、バーグハンバーグバーグさんの企画・提案は、本格的にお笑いステージショーですので、観客は多い方が社内の巻き込み力は強くなります。
 さて、ジモコロですが、「面白いです」「コロッケですね」「あれ仕事なの?」と日々リアルコメントを頂いておりますが、「よく企画が通ったね」と言われます。前回の記事でも書きましたが、ローンチまでにかなりの時間がかかったのは事実ですが、企画が通ったか通ってないかの質問で言えば、マラドーナの神の手ゴールの様な感じです。この部分は、どうやらリアルにお話しする機会がありそうですので、その時までに温めておきたいと思います。
 では、なぜ「ジモコロ」を始めたのか。コンテンツマーケティングと言えば一般化されていて抽象的につかみやすい概念かと思いますが、単純にWebマーケティング上の一つの施策でしかありません。私たちの行うWebマーケティングは、検索系DBマーケティングですので、いわゆる金融・不動産・通販などのSEM/SEOを前提としたリターゲティング・レコメンド(ダイナミックリターゲティング)が一般的です。その効果を最大化させるために、指名検索数(認知)を上げ、新規ユーザー(流入)を増やし、マッチング(リターゲティング)を行います。
 このサイクルを繰り返すために、私たちはマスマーケ(テレビや交通)を行い、時にはイベントを行い、何だったらオーソリティサイトに純広を出し、記事広告を出し、結果的にSEM(DSA/RLSA)DSP(ダイナミック)のマキシマイズを図るのです。でもそれって持てるものが勝つ構造ですよね。何より検索クエリは限定されています(言っても有限)から、暴力的な資本があれば結果勝てるのです。そこにクリエイティブの可能性はありません。
 だからこそ、私たちはクリエイティブの可能性を信じています(信じなければいけません)。DSPや広告の自動化はトレンドであり、かつ業務効率化が図れますがそこにヒューマニティは存在しません。置換すればユーモアがありません。可能な限り私たちは広告においてユーモアを軸に制作をしていますが、それはあくまでも広告であり、発信主体は私たちにあります。広告主としてのメッセージをユーモアに乗せているだけです。つまり一方的なメッセージが込められている以上は、暴力の構造と同様である、という認識です。ジモコロはそれら広告の限界状況を突破するために配置された施策の一つであり、それを支えているのは柿次郎さんのモチベーションとライターの方々のユーモアに依るものです。
 なぜ「ジモコロ」を始めたのか。繰り返しではありますが、その理由は単純にWebマーケティング上の一つの施策でしかありませんが、そこに人間性があったからです。人口知能や自動化がトレンドになりつつあるメディア業界にあって、より人間らしい取り組みであったからです。柿次郎さんの不確実なモチベーションと、ライターの多様なユーモアがバタフライ・エフェクトを提供してくれると信じています。
 柿次郎さんからアンサーブログを頂いた直後に、ジモコロ編集会議を行いました。半分以上はシモネタでしたが、その時に「シモネタのボーダー」を決めました。議事録には、

【トピックス】
・シモダの下ネタ問題
 →下ネタはいいので、下ネタの新領域を見極める必要があるかもしれない
 →下ネタの工夫をしましょう。

と書いていますが、今日上がっていた記事には何も工夫がありません。股間です。股間にペットボトルです。www.e-aidem.com
 そろそろジモコロとシモコロを本気で分ける必要がありそうです。それから、柿次郎さんがこの度独立して「柿-ジロコロ」を始める様です。嘘です。

そろそろ2ヶ月

 「ジモコロ」が公開されてから約1ヶ月半が経ちました。立ち上げまでの道のりは長かったですが、リリースして見ればあっという間で、毎日記事のチェックとシモネタとの戦いです。企業からすればかなりリスキーな記事が毎日送られてくるわけですが、修正依頼に対して他の記事が担保されているという、編集長の柿次郎さんのやり手感がたまりません。ご結婚おめでとうございます。
 企業としては中身の数字が気になるところですが、1.5ヶ月のPV数が50万弱とかなりの賑わいを見せております。その数字が凄いのかあまり実感はありませんが、はてなさんはこの数字には驚いておりました。数字の中身としても、各記事に特色があり流入元が異なります。
 例えばヨッピーさんの記事は全方位的に。www.e-aidem.com
あぐ味さんのはてな記事ははてブパワーから。www.e-aidem.com
マンスーンさんに至ってはYouTubeでも大人気に。www.e-aidem.com
 ここから若干マーケティング寄りの話ですが、例えばIT系・エンジニアやWeb業界向けであれば、ホッテントリ入りを狙うのがオーソドックスです。またティーンや大学生など、ある意味セミマスであればTwitter。ビジネスマンやIT系・マーケターであればFacebook、そしてテレビ離れしているユーザーにはYouTubeと、ある程度の目測が経ちます。媒体ではセグメントが厳しくなっていますが、コミュニケーションツール単位ではある程度セグメンテーションが効くかと思います。
 かと言って、そのユーザー目掛けて、狙って広告を打っても響きません。コンテンツマーケティングとネイティブアドで訴求、というのがトレンドになっていますが、それにも限界があります。実はジモコロが始まる半年前に、とても真面目なオウンドメディアをリリースしていました。
 就活ニュース2016shukatsu-news.jp
 ここでは毎日就活に役立つニュースを配信しつつ、新卒サイトの認知を目的として運用していました。また告知手法としてPRリリースとネイティブアドを活用しました。ネイティブアドには一定の効果がありある程度の流入を稼ぐことはできましたが、1ヶ月のPV数はジモコロの半分にも届きません。もちろん対象ユーザーが狭いことや、シーズナリーが考えられますが、前述の様な各コミュニケーションセグメントからの多角的な流入動線を作れなかったのはひとつの反省点として受け止めています。
 反面、ジモコロはネイティブアドに頼ることなく、記事の拡散性だけで多角的な動線を設計し、またユーザー自身が楽しみ、他のユーザーを連れて来てくれています。ある意味マーケティングとしてはあるべき姿になっているかと思います。各記事のバランスとコンテンツの質、今のところは絶妙なバランスで運営されているかと思いますが、いつかジモコロがシモコロにならないかと日々ひやひやしているのは秘密です。
 つまる所本来的なコンテンツマーケティングとは、またそのコンテンツとは、ある意味リスクの切り売りであって、リスクを担保したマーケティングでは、結果期待以上の貢献はない、と言い切れるのでは、と思い始めております。リスク=シモネタ、という男性有意的マーケティングですので、今後は女性目線でのコンテンツマーケティング手法を模索したいと思います。

BHB→バーグハンバーグバーグの略称ですって。知ってましたか?

2年かけて。

 2013年からはてなさんDPZさんと一緒に仕事をしながら、面白コンテンツの本丸であるバーグハンバーグバーグさんとメディアを一緒に運営していくこととなりました。www.e-aidem.com
まずはヨッピーさんの記事から。www.e-aidem.com
しもださんと一緒に登壇したセミナーはこちらです。directorblog.jp

地元のコロッケ。

 ジモコロは地元のコロッケの話しではありません。バーグハンバーグバーグさんが運営するオモコロ同様、地元に転がっている話題を取り上げ紹介していくメディアとなっています。

やっぱりコロッケは美味しい。

 という訳で、とりあえず顔出しでコロッケを食べました。www.e-aidem.com
打合せが始まったかと思いきや、会議室に用意された山盛りのコロッケ。打合せどころか、徳谷さんの話しを遮りコロッケを食させて頂きました。ご馳走さまでした。

まずはコンテンツマーケティングのスタンダードを。

 実はアイデムはジモコロ以外にもブログメディアを運営していますが、いわゆる真面目系のコンテンツが多くノウハウ的な内容になっています。その中でジモコロはまず面白さを軸にコンテンツマーケティングを進めて行きたいと思います。

コロッケのコロ沢。

 さて今後コロ沢はどうなるのか。www.e-aidem.com
そもそもコロ沢くんなのか、コロ沢ちゃんなのか。コロッケマーケティング?に期待です。

Webマーケティングの範囲は

未だにわかりません。

 私がマーケティング領域に足を踏み入れた当時、鉄板はガラケーSNSバナーのバルク買いでした。バルク買い、というのは3ヶ月これだけの枠を買うので安くしてね、といういわゆるボリュームディスカウントです。ガラケーSNSといえば、今ではもうスマホのアプリ会社で有名ですね。
 まずはインプレッションとかクリック率とか、そう言ったものが判断材料で流入軸が重要でした。

見えると気まずい。

 当時、ガラケーでのCV測定は中々に難しいものがありました。エンジニアも、サーバーベンダもCV測定の概念がなく、各キャリア毎の測定方法に難儀しました。UIDなど、ありました。PCに関してはタグ実装での運用が可能になり、比較的、広告効果の改善の道筋がつきやすくなりました。反面、今まで「こんなにPVあります」「こんなに登録ユーザーがいます」という営業と、運用後の実数の乖離があり、「インプが伸びなかったので補填しますね」「全くCVが…」という状況が生まれ、見えたがために、それまでの判断材料とは全く異なる指標を気にする事になりました。

未だに使うPDCAと運用

 各種広告効果測定ツールが当たり前になると、営業さんも「PDCA」と「運用」という営業手法に切り替え始めました。これは今ではスタンダードになっています。言い換えると、「ぐるぐる回しましょう」とか「とりあえずやってみてダメだったら考えましょう」という営業話法が増えました。つまりそれまでの営業は実際の所、(良く知らないけれど)「こんなにPVあります」と売っていただけでした。

ジーパン履いた人

 当時、サイトカタリストやビジョナリスト、ADPLANやアドエビス、そしてWebAntennaを導入・検証しながら運用していた所、ジーパン履いた人が営業にやって来ました。それは当時まだ設立されたばかりのFreakOut社で、持ってきたのは今では当たり前のDSPでありました。RTBとサイエンス&アートとか、ヒッピーかと思いました。

ええ、わかります。モレッリ法ですよね?

 並行して話題になっていたのがアトリビューションです。考古学を学んでいた身からすると、アトリビューションと言われると、帰属からの作品鑑定をイメージしてしまうのですが、アドテクでのアトリビューションはいわゆる貢献度合いの話しでした。そのために当時iogous*markと言われた第三者配信システムを実装して、Web広告って意味あるの?あれ勝手に出てるだけで意味ないでしょ?ねぇ、意味ないでしょ?という疑問を検証し始めました。

何がビックリかって、アイコンがほとんどゾウ。

 ログデータを保管できる様になると次はビッグデータでした。当時はインフラマーケットとしてスマート・グリッドやスマート・コミュニティがもてはやされ、その表層では数多のクラウドサービスがローンチされました。無料で、と掲げながらも、個人情報取得CPAから考えれば全然安い無料利用を軸に、ドンドコ個人情報を取得するクラウドサービス。私たち事業者側もDSP/SSP/RTB同様に、Hadoopへの態度を考えはじめました。

わかっちゃいるけれども、指くわえて見ている。

 各種ログデータを「見える化」できる事により、「人の行動」は統計的に見える様になりました。しかしながら「その人」にまだ行き着けません。つまり一人ひとりを対象としたマーケティングには、足りないパーツがたくさんありました。例えばメールDMを個別に自動的に、人が読んでもおかしくない様に、しかも見たくなるメールDMを自動的に生成することの難しさを改めて感じました。DMPを導入し、レコメンドに力を入れはじめたのもこの頃です。

相手は、人である。

 Webの世界はコードです。人は残念ながら論理だけでは測れません。つまり一人ひとりのニーズを拾おうと考えると、泥臭く拾っていかなければならないのです。まさにサイエンス&アート。具体と抽象の戦いなのです。統計データは全体の傾向は示してくれますが一人ひとりのニーズには手が届きません。コードで書かれているコンテンツを、より感情に近づけなければ一人ひとりの興味・関心を引くことはできないのです。

つまり。

 アドテクが進化して、Webマーケティングも見える化が進みましたが、それは結局現実世界で可視化されていたものが、Web上に転換されただけなのでした。人を動かすには、入念な分析と設計が必要になりますが、それでも足りません。広告は今までも、テレビや新聞や雑誌や交通広告や屋外広告や、それこそ評判や口コミを使って人を動かそうとして来ましたが、王道はありません。半径100Mの目視距離が、Webに転換されることにより世界中の距離がほとんど0距離となり、また一人ひとりの行動ログも数値化できる様になってはいます。それでも人を動かすのは、結局のところクリエイティブの力だったり、キャッチコピーだったりします。入念なシミュレーションは、結局計算できる範囲内の結果しか生みません。Webマーケティングが挑まないといけないのは、計算外の大きなインパクトだと思います。

そこで。

 昨年からDSP/DMPの計算範囲内の動きを抜け出すべく、業界のトレンドはWeb動画へと移行しています。私たちも昨年夏からWeb動画へと移行していますが、まだまだテレビとWeb動画の住み分けは難しく、何より動画を作る側、また代理店も、未だにWeb動画のフレームを測れずにいます。彼らの経験はテレビ動画にあり、Web動画にありません。
 テレビと違い、「さぁ動画を見よう」というユーザは動画サイトに行きますが、それ以外の大多数はパソコンやスマホから音が出ることに対してあまり期待感がありませんよね。Web動画制作の障壁はそこにありました。テキストや画像を見るWebサイトの中に、動画を挟み、また台詞やナレーションを聞かせないといけないのです。音声出力をオンにさせる。このアクションを起こさせる動画が、まずはWeb動画にて必要となりました。

トライ&エラー。

 未だに何が正解かわかりませんが、今のところWeb動画は人気です。ソーシャル上に流れる言葉もネガは少なく、表面的にはポジに取られている様に思います。ただこれから各社がWeb動画に参入することによりその市場も消費されるものになってしまうでしょう。その後を見通し、また新たなWebマーケティング施策を考え続けなければなりません。
 さて、Webマーケティングの範囲はどこまで広がるのでしょうか。

Re-Orderという考え方

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 概してエネルギー産業のマーケットは、「ヒト・モノの移動」をターゲットとしています。穿った言い方をすれば、「ヒトやモノの移動が必要ない世界は、エネルギー産業にとっては脅威」という言い方になります。人もまた身体を動かすことによってカロリーを消費しますね。私はカロリーが消費できずに、身体が大きくなりつつありますが。
 さて、ある10人がそれぞれ車に乗って、またはバスや電車に乗って日常品の買い物に行くルーチン作業と、オンデマンドで配達される配送車が3台〜5台配車されるのでは、どちらが環境に優しく、また移動時間の節約になるのでしょうか。ウインドウショッピング、という付帯価値を除けば、圧倒的に後者の方がエネルギー効率が良いはずです。ちなみに時間効率についてはAmazonプライムの活用で24時間以内は担保できるかと思います。
 Amazon DASHはRe-orderのスキームを再定義しています。消費者はすでに日常品の選択肢を求めているわけではなく、「必要な品をすでに手に入れており、持続的に活用したい」状況にあるのです。つまりジャストインタイムで商品が手に入れば買い溜めも必要なければ、そもそも様々な商品から選ぶ必要もない。いや、商品を選びに行く時間がすでにナンセンスじゃないでしょうか。
 ファッション・雑貨であれば、その時間投資がすでにファッションですが、例えばインクジェットプリンタのインクを買うのに100円以内の値引きのために街ナカを探しまわるのでしょうか。多くの場合、以前検索した最安値の店・サイトを判断軸として購入先を決定するのかと思います。
 Amazonは問います。そもそも買う商品が決まっていて、かつ最良の購入先が決まっているのに、また「検索」・「外出」し、「商品を探し」、「商品を購入し」、「家に帰る」という行為を繰り返す必要があるのでしょうか。そもそも「検索」や「外出」が気楽にできない状況にあれば、思考停止した状態で、今利用しているものをより容易く再購入(Re-order)できる状況を提案するべきでは?と。
 新商品の開発も重要でありますが、スピーディに再購入できる仕組みを作ることが、新規流入コストをペイできる最善の策であるとか感じました。