ワクワク・ライフ・バランス

誰を向いて仕事をするのか?

なぜ2015年になっても車が空を飛んでないのか?

 今年も残す所、後25日です。ジモコロの用意をし始めたのが、昨年の今頃だった気がします。2015年は、良くも悪くもジモコロに集約される年だなと思います(まだ終わってはいませんが)。ただそんな中でも個人的に気になっていたのは、ネット上でも話題にもなっていた映画「Back to the Future Part 2」で描かれた年でもありました。

 1989年の公開時、私は11歳、小学校6年生でした。2015年になれば、それこそ21世紀になれば、未来的な様々な(空想)技術が当たり前になって、少なくとも誰もが空を飛んで移動している時代なんだと想像していました。しかし当時の26年後の今、残念ながら映画の中で描かれていた空飛ぶ車や、ホバーボードは一般化されていません(それぞれ試作はされている様です)。

 なぜ、それらの技術は一般化されなかったのでしょうか?ドラえもんひみつ道具にも言える事ですが、「あったら良いな」という技術がいくつもあったはずです。少なくとも移動手段として空を飛べる様になる、というのは(運転難易度は別にして)移動時間を現実的に短くしてくれる技術革新だと思えます。SF映画ともなれば当たり前の様に、人は空を飛んで移動しています。

 現実的には各種利権や商業的・政治的課題、何よりインフラ整備の投資などがすぐに思いつく課題かと思います。ではなぜイーロン・マスクは宇宙開発を行っているのでしょうか?宇宙に出たとしても、上記の諸々の課題はついてまわる話しだと思えます。持って回った言い方かもしれませんが、「2015年になっても車が空を飛んでいない」理由は、『そういった時代を本気で築こうとする人がいなかった』と言及できる気がします。

 マーケティングでは各種データを用い想定される市場や仕組みを予想してくれます。今を生きる人や、持続性が求められる企業からすれば、実現可能性の高い(精度に依存しますが)未来に導いてくれるかと思います。しかしイノベーションの文脈で語られる未来は、正にBack to the Futureの様に、『今の文脈からシミュレートできる未来ではなく、文脈の外(シミュレートできない)の未来』を求められるケースが多いのではないかと感じます。

 そう考えると電気自動車ディーゼルなど、『今の車のあり方はそのままに、エネルギー問題に焦点を絞り売上拡大を目指す』という路線は、事業としては理に適っている事だと思います。だからこそ(カウンターとして)、宇宙を目指すイーロン・マスクは、その技術を車に反映させたのではないでしょうか。宇宙への往復技術が確立されれば、もしかしたらその技術を元に車さえ飛ばすかもしれません(そういった未来に興味があれば、ですが)。

 ただしそれは『(安定的に)売れるか売れないか』を前提に考え行動するか、『世界を変える』ために行動するか、その価値観に依存しています。ジョブズが世界に提案した、ワンボタンマウスやブロックアイコンのインターフェースなど、後者は結果的にスタンダードになっていますが、前者のシェアは世界的に見れば数%でしかありません。それでも、ジョブズのプレゼンに私たちが期待していたのは、マーケティングに裏打ちされシミュレート可能な打算的な市場成長よりも、『私はこのプロダクトで、世界を変える』というメッセージだったと、今更ながらに考えさせられています。

 だからこそ、2015年になっても車が空を飛んでいないと嘆くのではなく、結局、開発されなかったと誰かのせいにするのでもなく、『2015年に、私は車を飛ばすにはどうしたら良いのか』に向き合う必要があったのだと思い知らされました。私たちが目にする(空想)未来像は、あくまでも空想です。結果、それ以上の技術発展もあれば、全く近づかない(現状と変わらない)未来もあります。それは一重に、『そういった未来を望むのであれば、自ら実現できる様に』行動していれば、少なくともタイヤ位は空を飛んでいたかもしれません(そう考えるとドローンはその派生なのでしょう)。私が望む未来は誰かの手に託すのではなく、自ら実現できる様に取り組むのが実現可能性を高める方法だったのではないでしょうか。

 どこかの誰かが素晴らしい未来を見せてくれて、どこかの誰かがその未来を現実にしてくれて、自分はその現実を享受して『人間て凄いね』と他人事の様に便利さを受け入れている今日この頃。客観的なデータに基づいた話しは安心感があるけれども、小学6年生の自分が描いていた未来に近づくためには、今あるデータや文脈の外に出る事が手始めの様な気がしました。世界をどう変えたいのか、という問いは大げさだけれども、未来の自分はどんな世界に生きているのかを想像し、そのワンシーンを自ら実現できれば、結果的に世界にインパクトを与えるイノベーションになっている、という事なんだなと改めて独りごちた師走となりました。

アドテック関西登壇記念:ad:tech kansai 2015

 ひょんなことからアドテック関西に登壇する事になりました。いつもは聞く側(しかもビジターパス範囲)だっただけに、スピーカー側にまわるというのはおかしな感じです。今回はFreakOutさんからの招待登壇で、ご一緒した方々は下記のページの通り。
[D-10] モバイルマーケティングの成功の秘訣とは | ad:tech 関西 2015 official Web site
※このメンバーになぜアイデムが?という感じですが、裏側では色々とやっています。

 Facebookの山崎さんの勤務地がシンガポールという事で、まずはFacebookメッセンジャーにてセッション内容を確認。1回目の打合せで、セッション内容から落とし所までを確認しました。実際、全員が集まれたのはこの1時間半程度の打合せで、後は個々に打合せをし、資料などはFacebookメッセンジャーでのやりとり。それぞれのITリテラシーが高くて、コミュニケーションに時間的制限や無駄がない?というのは素晴らしかったです。

 ちなみに、それぞれの立ち位置ですが、Facebook山崎さんがプラットフォーム側、SmartNews望月さんがスマートフォンアプリ視点で、FreakOut多湖さんはDSP事業者として、私は広告主側として望みました。"モバイルマーケティングの成功の秘訣とは”とセッションタイトルはあるものの、登壇者の結論は合意していて「モバイルの勝ち方をまさに模索している所」という事になりました。

 アドテックに始めて登壇者として参加してみて、運営会社のdmg::events Japanさんの熱量というものを今回感じる事ができました。今まではビジターだったために、様々なマーケターがいるなという位の感覚だったのですが、スピーカースペースではそういった人々としっかりとコミュニケーションを取って、全体コントロールをしている武富さんの姿が印象的でした。「日本のマーケティングを変えていこう」、そういった類の熱量がありました。

 私たちのセッションは良くも悪くも、1時間半の打合せの内容だったかと思います。良い意味で言えばざっくばらんな、悪い意味で言えばまとまりのない、ブランディングから刈取り、コンテンツマーケにソーシャル施策、動画マーケティングからアプリマーケティングにまで話題が広がり、しかも人材紹介のビジネスモデルと掲載課金でのビジネスモデルなど、一般にはディープな話しがあったかと思います。それでもありがたい事に300名程度の会場は席が埋まっていましたし、セッション後には幾人かと名刺交換をしました。私たちが当たり前としていることを、他者の視点で新鮮に捉え新たに再定義する事で、また新たな発見がある、という循環も良い経験となりました。

 何より今回は良きセッションメンバーに巡り会えたなと思います。アドテクの話しに始まり、グローバル営業に証券営業、文化や考古学、山登りとスマホアプリ、そして組織と経営など、多忙なメンバーが限られた時間内でそれぞれのプレゼンスを発揮できたのではないかと思います。会話の中で、「うちの会社は」という言葉が多く出るのか、「日本」や「世界」という言葉が多く頻出するのか、それは多分このブログのサブタイトルでもある「誰を向いて仕事をするのか」という意識に由来するな、と感じた出会いでもありました。

熱量が基本のオウンドメディアマーケティングセミナー

 本日8月26日、バーグハンバーグバーグの徳谷柿次郎さんid:kakijiroとのセッションセミナーである、オウンドメディアマーケティングセミナーに登壇しました。場所はFreakOutさんの会場を借り、生憎の天候ながらも満員に近い入りとなりました。お越し頂きました皆さま、誠にありがとうございましたbusiness.hatenastaff.com

 セミナー開催にあたり資料作成を行いましたが、作成しながら自分がマーケティング担当者だったら何を知りたいだろうと、できる限り視点をズラさない様に作成しました。結果、価値ある内容になったかは、セミナーが終わった後もわかりませんが…。

 今回この様な形でセミナーを開催できたのも、はてなの方々(高野さんid:mtakano)の実行力に依るものです。以前も同様に、はてなさんが進めていく企画にジョインするケースがありましたが、しっかりと他各社と共有・連携しつつ、安定的にイベントを開催していく様は流石だと思いました。また見学者の集客についても当初80名の枠に倍以上の応募があり、悪天候にも関わらず100名程度の来場は、抽選・選出の方法から歩留まり計算まで、大きなノウハウだと感じました。
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 そして今回はジモコロ名義ではありますが、柿次郎さんとの初セッションセミナーです。柿次郎さんは本当に柔よく剛を制す方で、しなやかな芯を持って様々な状況に対応して頂けます。実際、セミナー開催にあたっての下打合せは昼食を取りながらという簡単なもので、そもそも下書きもなく、それぞれが作った資料を当日合体し100%アドリブで行いました。それでも私の呼吸や、会場の雰囲気を感じつつ話す内容をコントロールし、タイムスケジュールを大きく乱すことなく閉会することができました。

 さて、セミナーを通して私たちは何を得たのでしょうか。はてなさんは、ブログMEDIAの営業見込みを得て、バーグハンバーグバーグさんはコンテンツ営業先を得たのは確かです。アイデムが得たものは数字的なものではなく「何をやらかすかわからない企業」としての認知を、ある程度得たのではないかと思います。それこそ役員の写真まで動員し、ある意味ブランディングとしても、「いつの間にか何かやってる企業」として同業各社様には紹介ができたのではないかと思います。実際、セミナー終了後に最大の?同業さんから「アイデムに先を越された」と社内をざわつかせた、という事実を確認できただけで大きな実績なんではないかと思いました。

 柿次郎さんの資料は熱量を基本としていました。ジモコロへの向き合い方も、その熱量が全てかと思います。しかし熱量は、触媒がなければ持続できません。会場の質問の中で「媒体に、運営側が飽きてきたら」という内容がありましたが、ある意味柿次郎さんがジモコロへの熱量を下げた途端に、ジモコロが腐敗(消費的になって)してしまう可能性も秘めています。ジモコロはこのまま地元の一次情報を発信し続けられるメディアであり続けたいと願いつつ、時間経過により運営そのものがルーチン化していく恐怖を感じた1日でもありました。

 これは本業である求人媒体にも通じる事で、熱量の無いルーチン作業で発信される情報に、人を動かす程のエネルギーが込められているのか、改めて考えさせられました。

CM、動画の撮影について

 CMや動画がどの様に撮られているか、プロモーションを担当するまで明確には理解していませんでした。元々私もデジタルマーケティングから入っているので、それこそ初めてのマス広告の打ち合わせでは飛び交う用語が理解できず、GRPって何ですか?PPMって何の略ですか?っていうか、何でこんな高いんですか?と質問だらけになってしまいました。

最近の動画です。

youtu.be
アイデム演劇プロジェクト【スマホを片手に走れメロス

youtu.be
アイデム演劇プロジェクト【坊っちゃん2015】

 デジタルマーケティングであれば、それこそ数万円単位から始められますが、マス領域になるといきなり1,000万単位が当たり前になります。そこには色々な仕組みや工程があってそうなっているのですが、はじめの内は理解するまでにかなり時間を要しました。今思えば、その工数はジモコロでもかかっているもので、とてもわかり易く言ってしまうと「人間ならではの手間」に尽きるかと思います。
 さてCMや動画を作るにあたっていくつか手順がありますので整理してみたいと思います。

①【Purpose】まずは社内をまとめましょう。

 プロモーションと言うと、すぐに「CMやりましょう」となるのが良くある流れです。とても分かり易くて良いと思いますが、関東・関西エリアで放映する場合はコストがネックとなります。しかもCMにおいては、投資分に対しての広告効果が明確に取れるわけではありません。
 「この期間にこれだけCM投下をするので、売上を◯◯%上げます」と言うのが良くある社内プレゼンですが、そこの指標がブレない様にしないと、後々なんのためにCMをやるのかそれぞれが混乱することになります。

→CMをやる目的はブラさない。

②【What】何を伝えたいのか明確にしましょう。

 CMをやる事が決まったら、今度は何を伝えるのか決めなければいけません。CMの基本は15秒か30秒。しかも起承転結を考え、企業ロゴやサービスロゴのカットをしっかりと挟むとなると、メッセージの取捨選択が必要となります。限られた秒数で伝えられるメッセージを再整理することになります。

→メッセージは欲張らない。

③【How】どの様に伝えるのか考えましょう。

 メッセージが決まったらどの様に伝えるか考えなければなりません。タレントを使うのか。キャラクターを擁立するのか。それこそ企画だけでインパクトを出すのか。言わずもがなですが、タレントを使った場合、特に認知目的では、視聴者への到達スピードは早くなります。これは単純にタレントのファンの皆さんが紐付いてくれるからです。手法は様々ですが、選択されたメッセージを伝える最良の手法を選択するべきでしょう。

→CM=タレント、という構図が全てではありません。

④【Orientation】代理店や制作会社に伝えましょう。

 方向性が決まったら、動画を制作していかなければなりません。基本は、代理店を通し制作会社という流れかと思いますが、制作会社は固定で広告枠だけ代理店通しで買う、というケースもあるでしょう。①〜③までをできればドキュメントにまとめ、齟齬がない様に伝えるのが良いと思います。この作業は、システム開発におけるRFPの様なものです。

→社外の人間に伝える際は、出来る限り一般化して伝えましょう。

⑤【Presentation】企画案〜ストーリーボード〜絵コンテを確認しましょう。

 オリエン後、代理店(制作会社)から企画案が上がってきます。「望んでいる画はこういう事でしょうか?」という要件確認書になります。この段階で、いわゆるトーン&マナーや、タレント使用の有無などが決まります。企画案がまとまり次第、ストリーボード〜絵コンテとなり、15/30秒のカット割りが決まっていきます。要件定義に近い作業となります。

→想像していたものがしっかりと伝わっているか確認しましょう。

⑥【Shoot】PPM〜撮影となります。

 絵コンテまでくれば、後は撮影するだけです。事前にPPM(プリ・プロダクション・ミーティング)を行い、全体から詳細まで最終チェックを行います。撮影場所がスタジオなのかロケなのか。また天候に左右される場合のリスクヘッジはどうなっているのか。撮影に入ってしまうと基本は立ち会うだけとなります。モニターチェックをしながら、気になる事があればその場その場で確認をしていかないと、撮り直しが発生してしまい制作コストが跳ね上がってしまいます。

→撮影は基本一度キリなので、想定される画は撮り置きをしましょう。

⑦【Edit】仮編集〜本編集・MA

 撮影後は編集作業に移ります。編集室にて、まずは撮った素材を繋ぎ全体のストーリーに違和感がないか確認します。この段階では色調も音声もまだ荒いものになっていますが、全体の構成が整い次第、細かい調整に入ります。音声についてもMAによって調整され一般のテレビスピーカーでも聴きやすいか確認します。

→編集作業が最後の仕上げです。気になるところがあれば、カットや色味、また音声などひとつひとつ調整しましょう。これで動画が完成となります。

 動画を広告軸とする場合に、CMありきか結果的にCMかで、実は①〜⑤の工程は変化します。何かを効率的に伝えようと思った結果、コストと到達スピードを加味した際にCM・動画という手法が優先されがちですが、現状の数字上ではYouTubeに代表されるWeb動画も外せません。
 TVを見るユーザー向けとYouTubeユーザーではその作り方が全く異なりますので、注意が必要です。具体的には、CMは上記の様に15/30秒というフォーマットがありますが、Webにはそういったフォーマットがありません。今後、Web動画マーケティングにおいてもフォーマット化が進むかと思いますが、良い意味で定形化されないのがWebの可能性だと思いますので、今後、動画制作業界においてもWebを前提とした制作手法が議論されるかと思います。

ここ数年の結論ですが、CMを作れる人と、Web動画を作れる人はまだまだ多くありません。なぜなら業界的には、CMクリエイターがTVCM同様にWeb動画を制作するケースが一般的だからです。今後はWeb動画界からCM業界に出てくる人が多くなるのではないでしょうか。

白やぎさんからお手紙着いた

 ジモコロの編集長・柿次郎さんから返信が来ました。jet-set.hatenablog.com
存在論的、郵便的な感じです。柿次郎さんは柿次郎さんであって、柿次郎さんでありません。実は源氏名なのです。お気をつけください。

いやー、ありがたいですね。仕事関係でこういうことをするのは初めてなんですが、アンサーブログっちゅうんですか? オーパーツ的な感覚で言うとトラックバックを飛ばして、個人ブログで打ち返す試みもアリなんじゃないでしょうか。インターネットのお戯れです。同じ「はてなブログ」だし。

 個人的には2004年から「はてなダイアリー」ユーザーでして、まさにトラックバック世代でして、逆にブログで言及してpingが明示化されないのは寂しい限りなのです。
 バーグハンバーグバーグさんとの出会いはシモダさんとのセミナー登壇が最初でした。directorblog.jp
 場所はLINEのセミナーホールで、田端さんが司会をする中300人くらいの業界関係者ばかりだったのですが、シモダさんはすでに一杯ひっかけていて、登壇者控室ではずっとモンハンやっていました。噂には聞いていたのですが、ビジネス面とおもしろ面は計算していて、多分キレキレのビジネスマンだろうと勝手に想像していたのですが、遊びの時間は終わらない人の方でした。
 次は原宿さんとアインツ・ワッパさんと、これまた違うセミナーにて登壇させて頂きましたが、アインツ・ワッパさんのネタがオカルト過ぎて、本気でビビリました。いや、お兄さん気になりますね。tcc.nifty.com
 原宿さんはちゃんとした人というイメージが強いのですが、そうは言ってもオモコロの編集長なので、上げてくるものはぶっ飛んでいるわけです。www.e-aidem.com
 そして柿次郎さんと山口むつおさんと、初めて仕事の話しをしました。当時はジモコロと言う名前も決まっていなくて、それこそ中学生シモネタ満載のネタ持ち寄り会でした。と言うか当時のネタが今のジモコロには一つも出ていないので、きっとこう言ったコミュニケーションの場で展開される気がします。一応バラして起きますが、バーグハンバーグバーグさんの企画・提案は、本格的にお笑いステージショーですので、観客は多い方が社内の巻き込み力は強くなります。
 さて、ジモコロですが、「面白いです」「コロッケですね」「あれ仕事なの?」と日々リアルコメントを頂いておりますが、「よく企画が通ったね」と言われます。前回の記事でも書きましたが、ローンチまでにかなりの時間がかかったのは事実ですが、企画が通ったか通ってないかの質問で言えば、マラドーナの神の手ゴールの様な感じです。この部分は、どうやらリアルにお話しする機会がありそうですので、その時までに温めておきたいと思います。
 では、なぜ「ジモコロ」を始めたのか。コンテンツマーケティングと言えば一般化されていて抽象的につかみやすい概念かと思いますが、単純にWebマーケティング上の一つの施策でしかありません。私たちの行うWebマーケティングは、検索系DBマーケティングですので、いわゆる金融・不動産・通販などのSEM/SEOを前提としたリターゲティング・レコメンド(ダイナミックリターゲティング)が一般的です。その効果を最大化させるために、指名検索数(認知)を上げ、新規ユーザー(流入)を増やし、マッチング(リターゲティング)を行います。
 このサイクルを繰り返すために、私たちはマスマーケ(テレビや交通)を行い、時にはイベントを行い、何だったらオーソリティサイトに純広を出し、記事広告を出し、結果的にSEM(DSA/RLSA)DSP(ダイナミック)のマキシマイズを図るのです。でもそれって持てるものが勝つ構造ですよね。何より検索クエリは限定されています(言っても有限)から、暴力的な資本があれば結果勝てるのです。そこにクリエイティブの可能性はありません。
 だからこそ、私たちはクリエイティブの可能性を信じています(信じなければいけません)。DSPや広告の自動化はトレンドであり、かつ業務効率化が図れますがそこにヒューマニティは存在しません。置換すればユーモアがありません。可能な限り私たちは広告においてユーモアを軸に制作をしていますが、それはあくまでも広告であり、発信主体は私たちにあります。広告主としてのメッセージをユーモアに乗せているだけです。つまり一方的なメッセージが込められている以上は、暴力の構造と同様である、という認識です。ジモコロはそれら広告の限界状況を突破するために配置された施策の一つであり、それを支えているのは柿次郎さんのモチベーションとライターの方々のユーモアに依るものです。
 なぜ「ジモコロ」を始めたのか。繰り返しではありますが、その理由は単純にWebマーケティング上の一つの施策でしかありませんが、そこに人間性があったからです。人口知能や自動化がトレンドになりつつあるメディア業界にあって、より人間らしい取り組みであったからです。柿次郎さんの不確実なモチベーションと、ライターの多様なユーモアがバタフライ・エフェクトを提供してくれると信じています。
 柿次郎さんからアンサーブログを頂いた直後に、ジモコロ編集会議を行いました。半分以上はシモネタでしたが、その時に「シモネタのボーダー」を決めました。議事録には、

【トピックス】
・シモダの下ネタ問題
 →下ネタはいいので、下ネタの新領域を見極める必要があるかもしれない
 →下ネタの工夫をしましょう。

と書いていますが、今日上がっていた記事には何も工夫がありません。股間です。股間にペットボトルです。www.e-aidem.com
 そろそろジモコロとシモコロを本気で分ける必要がありそうです。それから、柿次郎さんがこの度独立して「柿-ジロコロ」を始める様です。嘘です。

そろそろ2ヶ月

 「ジモコロ」が公開されてから約1ヶ月半が経ちました。立ち上げまでの道のりは長かったですが、リリースして見ればあっという間で、毎日記事のチェックとシモネタとの戦いです。企業からすればかなりリスキーな記事が毎日送られてくるわけですが、修正依頼に対して他の記事が担保されているという、編集長の柿次郎さんのやり手感がたまりません。ご結婚おめでとうございます。
 企業としては中身の数字が気になるところですが、1.5ヶ月のPV数が50万弱とかなりの賑わいを見せております。その数字が凄いのかあまり実感はありませんが、はてなさんはこの数字には驚いておりました。数字の中身としても、各記事に特色があり流入元が異なります。
 例えばヨッピーさんの記事は全方位的に。www.e-aidem.com
あぐ味さんのはてな記事ははてブパワーから。www.e-aidem.com
マンスーンさんに至ってはYouTubeでも大人気に。www.e-aidem.com
 ここから若干マーケティング寄りの話ですが、例えばIT系・エンジニアやWeb業界向けであれば、ホッテントリ入りを狙うのがオーソドックスです。またティーンや大学生など、ある意味セミマスであればTwitter。ビジネスマンやIT系・マーケターであればFacebook、そしてテレビ離れしているユーザーにはYouTubeと、ある程度の目測が経ちます。媒体ではセグメントが厳しくなっていますが、コミュニケーションツール単位ではある程度セグメンテーションが効くかと思います。
 かと言って、そのユーザー目掛けて、狙って広告を打っても響きません。コンテンツマーケティングとネイティブアドで訴求、というのがトレンドになっていますが、それにも限界があります。実はジモコロが始まる半年前に、とても真面目なオウンドメディアをリリースしていました。
 就活ニュース2016shukatsu-news.jp
 ここでは毎日就活に役立つニュースを配信しつつ、新卒サイトの認知を目的として運用していました。また告知手法としてPRリリースとネイティブアドを活用しました。ネイティブアドには一定の効果がありある程度の流入を稼ぐことはできましたが、1ヶ月のPV数はジモコロの半分にも届きません。もちろん対象ユーザーが狭いことや、シーズナリーが考えられますが、前述の様な各コミュニケーションセグメントからの多角的な流入動線を作れなかったのはひとつの反省点として受け止めています。
 反面、ジモコロはネイティブアドに頼ることなく、記事の拡散性だけで多角的な動線を設計し、またユーザー自身が楽しみ、他のユーザーを連れて来てくれています。ある意味マーケティングとしてはあるべき姿になっているかと思います。各記事のバランスとコンテンツの質、今のところは絶妙なバランスで運営されているかと思いますが、いつかジモコロがシモコロにならないかと日々ひやひやしているのは秘密です。
 つまる所本来的なコンテンツマーケティングとは、またそのコンテンツとは、ある意味リスクの切り売りであって、リスクを担保したマーケティングでは、結果期待以上の貢献はない、と言い切れるのでは、と思い始めております。リスク=シモネタ、という男性有意的マーケティングですので、今後は女性目線でのコンテンツマーケティング手法を模索したいと思います。

BHB→バーグハンバーグバーグの略称ですって。知ってましたか?

2年かけて。

 2013年からはてなさんDPZさんと一緒に仕事をしながら、面白コンテンツの本丸であるバーグハンバーグバーグさんとメディアを一緒に運営していくこととなりました。www.e-aidem.com
まずはヨッピーさんの記事から。www.e-aidem.com
しもださんと一緒に登壇したセミナーはこちらです。directorblog.jp

地元のコロッケ。

 ジモコロは地元のコロッケの話しではありません。バーグハンバーグバーグさんが運営するオモコロ同様、地元に転がっている話題を取り上げ紹介していくメディアとなっています。

やっぱりコロッケは美味しい。

 という訳で、とりあえず顔出しでコロッケを食べました。www.e-aidem.com
打合せが始まったかと思いきや、会議室に用意された山盛りのコロッケ。打合せどころか、徳谷さんの話しを遮りコロッケを食させて頂きました。ご馳走さまでした。

まずはコンテンツマーケティングのスタンダードを。

 実はアイデムはジモコロ以外にもブログメディアを運営していますが、いわゆる真面目系のコンテンツが多くノウハウ的な内容になっています。その中でジモコロはまず面白さを軸にコンテンツマーケティングを進めて行きたいと思います。

コロッケのコロ沢。

 さて今後コロ沢はどうなるのか。www.e-aidem.com
そもそもコロ沢くんなのか、コロ沢ちゃんなのか。コロッケマーケティング?に期待です。