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ワクワク・ライフ・バランス

誰を向いて仕事をするのか?

Webマーケティングの範囲は

未だにわかりません。

 私がマーケティング領域に足を踏み入れた当時、鉄板はガラケーSNSバナーのバルク買いでした。バルク買い、というのは3ヶ月これだけの枠を買うので安くしてね、といういわゆるボリュームディスカウントです。ガラケーSNSといえば、今ではもうスマホのアプリ会社で有名ですね。
 まずはインプレッションとかクリック率とか、そう言ったものが判断材料で流入軸が重要でした。

見えると気まずい。

 当時、ガラケーでのCV測定は中々に難しいものがありました。エンジニアも、サーバーベンダもCV測定の概念がなく、各キャリア毎の測定方法に難儀しました。UIDなど、ありました。PCに関してはタグ実装での運用が可能になり、比較的、広告効果の改善の道筋がつきやすくなりました。反面、今まで「こんなにPVあります」「こんなに登録ユーザーがいます」という営業と、運用後の実数の乖離があり、「インプが伸びなかったので補填しますね」「全くCVが…」という状況が生まれ、見えたがために、それまでの判断材料とは全く異なる指標を気にする事になりました。

未だに使うPDCAと運用

 各種広告効果測定ツールが当たり前になると、営業さんも「PDCA」と「運用」という営業手法に切り替え始めました。これは今ではスタンダードになっています。言い換えると、「ぐるぐる回しましょう」とか「とりあえずやってみてダメだったら考えましょう」という営業話法が増えました。つまりそれまでの営業は実際の所、(良く知らないけれど)「こんなにPVあります」と売っていただけでした。

ジーパン履いた人

 当時、サイトカタリストやビジョナリスト、ADPLANやアドエビス、そしてWebAntennaを導入・検証しながら運用していた所、ジーパン履いた人が営業にやって来ました。それは当時まだ設立されたばかりのFreakOut社で、持ってきたのは今では当たり前のDSPでありました。RTBとサイエンス&アートとか、ヒッピーかと思いました。

ええ、わかります。モレッリ法ですよね?

 並行して話題になっていたのがアトリビューションです。考古学を学んでいた身からすると、アトリビューションと言われると、帰属からの作品鑑定をイメージしてしまうのですが、アドテクでのアトリビューションはいわゆる貢献度合いの話しでした。そのために当時iogous*markと言われた第三者配信システムを実装して、Web広告って意味あるの?あれ勝手に出てるだけで意味ないでしょ?ねぇ、意味ないでしょ?という疑問を検証し始めました。

何がビックリかって、アイコンがほとんどゾウ。

 ログデータを保管できる様になると次はビッグデータでした。当時はインフラマーケットとしてスマート・グリッドやスマート・コミュニティがもてはやされ、その表層では数多のクラウドサービスがローンチされました。無料で、と掲げながらも、個人情報取得CPAから考えれば全然安い無料利用を軸に、ドンドコ個人情報を取得するクラウドサービス。私たち事業者側もDSP/SSP/RTB同様に、Hadoopへの態度を考えはじめました。

わかっちゃいるけれども、指くわえて見ている。

 各種ログデータを「見える化」できる事により、「人の行動」は統計的に見える様になりました。しかしながら「その人」にまだ行き着けません。つまり一人ひとりを対象としたマーケティングには、足りないパーツがたくさんありました。例えばメールDMを個別に自動的に、人が読んでもおかしくない様に、しかも見たくなるメールDMを自動的に生成することの難しさを改めて感じました。DMPを導入し、レコメンドに力を入れはじめたのもこの頃です。

相手は、人である。

 Webの世界はコードです。人は残念ながら論理だけでは測れません。つまり一人ひとりのニーズを拾おうと考えると、泥臭く拾っていかなければならないのです。まさにサイエンス&アート。具体と抽象の戦いなのです。統計データは全体の傾向は示してくれますが一人ひとりのニーズには手が届きません。コードで書かれているコンテンツを、より感情に近づけなければ一人ひとりの興味・関心を引くことはできないのです。

つまり。

 アドテクが進化して、Webマーケティングも見える化が進みましたが、それは結局現実世界で可視化されていたものが、Web上に転換されただけなのでした。人を動かすには、入念な分析と設計が必要になりますが、それでも足りません。広告は今までも、テレビや新聞や雑誌や交通広告や屋外広告や、それこそ評判や口コミを使って人を動かそうとして来ましたが、王道はありません。半径100Mの目視距離が、Webに転換されることにより世界中の距離がほとんど0距離となり、また一人ひとりの行動ログも数値化できる様になってはいます。それでも人を動かすのは、結局のところクリエイティブの力だったり、キャッチコピーだったりします。入念なシミュレーションは、結局計算できる範囲内の結果しか生みません。Webマーケティングが挑まないといけないのは、計算外の大きなインパクトだと思います。

そこで。

 昨年からDSP/DMPの計算範囲内の動きを抜け出すべく、業界のトレンドはWeb動画へと移行しています。私たちも昨年夏からWeb動画へと移行していますが、まだまだテレビとWeb動画の住み分けは難しく、何より動画を作る側、また代理店も、未だにWeb動画のフレームを測れずにいます。彼らの経験はテレビ動画にあり、Web動画にありません。
 テレビと違い、「さぁ動画を見よう」というユーザは動画サイトに行きますが、それ以外の大多数はパソコンやスマホから音が出ることに対してあまり期待感がありませんよね。Web動画制作の障壁はそこにありました。テキストや画像を見るWebサイトの中に、動画を挟み、また台詞やナレーションを聞かせないといけないのです。音声出力をオンにさせる。このアクションを起こさせる動画が、まずはWeb動画にて必要となりました。

トライ&エラー。

 未だに何が正解かわかりませんが、今のところWeb動画は人気です。ソーシャル上に流れる言葉もネガは少なく、表面的にはポジに取られている様に思います。ただこれから各社がWeb動画に参入することによりその市場も消費されるものになってしまうでしょう。その後を見通し、また新たなWebマーケティング施策を考え続けなければなりません。
 さて、Webマーケティングの範囲はどこまで広がるのでしょうか。